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月別アーカイブ: 2026年7月

東基工業NEWS~調査・除去技術~

皆さんこんにちは

東基工業株式会社です。

 

~調査・除去技術~

 

建物の解体や改修工事では、壁、天井、床、配管、機械設備などを取り外す前に、アスベストが使用されていないかを確認することが重要です。

アスベストは、耐熱性や耐久性、断熱性などに優れていたことから、過去にはさまざまな建築材料や工業製品に使用されてきました。しかし、非常に細かな繊維を吸い込むことで、肺がんや中皮腫などの健康障害を引き起こす可能性があることが知られています。アスベスト工事では、作業者だけでなく、建物の利用者や近隣住民へ繊維を広げないことが最も重要です。

そのため、アスベスト工事業に求められる技術は、建材を取り外す能力だけではありません。

施工前の調査、工事計画、作業場所の隔離、粉じんの飛散防止、保護具の管理、廃棄物の梱包、作業後の清掃など、すべての工程を確実に管理する総合的な技術が必要です

今回は、アスベスト工事の品質と安全を支える専門技術についてご紹介します。

最初に必要となる事前調査

アスベスト工事は、いきなり建材を壊して確認するものではありません。

まずは、建物の設計図書、改修履歴、建材の商品名、施工時期などを確認します。そのうえで現地を目視し、アスベストを含んでいる可能性がある建材を特定します。

書類や目視だけでは判断できない場合には、試料を採取し、専門機関による分析を行うことがあります。

アスベストは見た目だけで含有の有無を判断できるとは限りません。似たような色や形の建材でも、製品や製造時期によって含有状況が異なる場合があります。

「古い建物だから入っているだろう」「この材料には使われていないだろう」といった思い込みで判断することは危険です⚠️

現在は、一定規模以上の建築物の解体・改修工事などについて、石綿事前調査結果を行政機関へ報告する仕組みがあります。また、調査は必要な知識を持つ者が行うことが求められており、2026年1月からは対象となる工作物の事前調査についても、資格要件に沿った調査者による対応が必要です。

事前調査は、単なる書類作業ではありません。

どの建材にアスベストが含まれているのかを正しく把握することで、必要な工法、保護具、作業区域、廃棄方法などが決まります。工事全体の安全性を左右する最初の重要工程です。

建材の状態に応じて工法を選ぶ

アスベストを含む建材には、吹付け材、保温材、断熱材、成形板、床材など、さまざまな種類があります。

建材によって、アスベスト繊維の飛散しやすさは異なります。

柔らかく崩れやすい材料や、劣化によって表面が傷んでいる材料は、作業時に粉じんが発生しやすくなります。一方で、板状に固められた建材でも、切断、破砕、研磨などを行えば、粉じんが発生する可能性があります。

そのため、すべての建材を同じ方法で取り外すことはできません。

建材の種類、劣化状態、施工場所、作業範囲などを確認し、できる限り破壊を抑えた方法を選びます

取り外せるものは原形のまま撤去し、やむを得ず切断などが必要な場合には、粉じんを抑える措置を講じます。

作業速度だけを優先して細かく砕くと、アスベスト繊維を広げる危険性が高まります。

アスベスト工事では、早く壊すことよりも、飛散させずに取り除くことが重要です。

作業区域を隔離する技術

飛散性が高い建材を除去する場合には、作業場所を周囲から隔離します。

床、壁、天井、設備などを専用のシートで覆い、アスベスト繊維が外部へ漏れないようにします。

シート同士の継ぎ目や配管の貫通部、出入口などには隙間が生じやすいため、細かな部分まで確認しなければなりません。

見た目には密閉されているようでも、わずかな隙間があれば、空気の流れとともに粉じんが漏れる可能性があります。

隔離区域内の空気を管理するため、集じん・排気装置を使用し、区域内を外部より低い圧力に保つ方法もあります。

これにより、隙間が生じた場合でも、空気が作業区域の外へ流れにくい状態をつくります️

厚生労働省の作業者向け資料でも、飛散性の高い吹付け材や保温材などを扱う場合には、負圧隔離、集じん・排気装置の確認、隔離解除前の取り残し確認などが重要な対策として示されています。

隔離はシートを貼れば完成するものではありません。

作業開始前に状態を点検し、作業中も破れや浮きがないかを確認します。工具や廃材を運ぶ際にシートへ接触し、穴が開くこともあるため、継続的な管理が必要です。

粉じんを抑える湿潤化の技術

アスベストを含む建材を乾燥した状態で壊すと、細かな粉じんが空気中へ舞い上がりやすくなります。

そこで、建材の状態に応じて水や専用薬剤を使用し、湿った状態に保ちながら撤去します

ただし、表面を軽く濡らしただけでは、内部まで十分に浸透していない場合があります。

材料の厚さや吸水性を確認し、粉じんが発生しにくい状態へ整えます。

水を多く使えばよいというわけでもありません。

電気設備が近くにある場合には感電への注意が必要です。床へ水が広がれば、転倒の危険も生じます。また、汚れた水を適切に回収しなければ、別の場所へアスベストを広げる原因になります。

粉じんの飛散防止と、現場全体の安全を両立させることが重要です。

呼吸用保護具と保護衣を正しく使う

アスベスト工事では、作業内容に応じた呼吸用保護具や保護衣を使用します。

高性能な保護具であっても、顔との間に隙間があれば、本来の効果を発揮できません。

装着前には、面体やフィルターに破損がないかを確認し、正しく密着しているかを確かめます

ひげ、髪、タオルなどが密着部分へ挟まると、隙間ができることがあります。

また、使用した保護衣や工具には、目に見えない粉じんが付着している可能性があります。そのまま作業区域の外へ出ると、休憩所、車両、事務所、自宅などへ持ち出してしまう危険があります。

作業区域から退出する際には、決められた手順で粉じんを除去し、保護衣や保護具を適切に扱います。

保護具を着用することだけでなく、付着したアスベストを外部へ持ち出さないところまで管理することが大切です。

撤去材を確実に梱包する

取り外したアスベスト含有建材は、通常の解体廃材と同じように扱うことはできません。

撤去した場所から処理場所へ運ぶまでに、粉じんや破片が漏れないように梱包します。

袋や容器へ詰めすぎると、運搬中に破損する可能性があります。鋭い破片がある場合には、袋を内側から傷つけないように処理する必要があります

梱包後は、内容物が分かるように表示し、他の廃棄物と混ざらないように管理します。

作業区域から搬出する際には、袋や容器の外側へ粉じんが付着していないかも確認します。

撤去した時点で終わりではなく、現場外へ安全に搬出し、適切な処理へつなげるまでがアスベスト工事です。

取り残しを防ぐ確認技術

建材の除去が終わった後は、アスベスト含有材が残っていないかを確認します。

梁の裏側、配管の周囲、ボルトの根元、天井の奥など、見えにくい部分には材料が残りやすいため注意が必要です

照明を当てる方向を変えたり、複数人で確認したりしながら、細かな残留物を探します。

除去した面だけでなく、床、足場、養生シート、工具などに粉じんが残っていないかも確認します。

清掃には、粉じんを再び舞い上げない方法を用います。ほうきで強く掃いたり、一般的な送風機で吹き飛ばしたりすることは適切ではありません。

安全な清掃方法を選び、作業区域内を確実にきれいにします

記録と報告も技術の一部

アスベスト工事では、調査結果、作業計画、作業前後の写真、使用した機器、点検内容、廃棄物の搬出状況などを記録します

記録が残っていれば、どの範囲をどの方法で施工したのかを後から確認できます。

建物所有者や元請会社にとっても、適切な工事が実施されたことを確認する重要な資料になります。

作業が安全だったかどうかは、完成後の見た目だけでは判断できません。

見えない工程を記録し、説明できる状態にすることが、専門業者への信頼につながります。

まとめ

アスベスト工事における技術は、建材を撤去する作業だけではありません。

事前調査、施工計画、隔離、湿潤化、保護具の管理、廃棄物の梱包、清掃、記録まで、すべての工程がつながっています。

アスベスト繊維は目に見えにくいため、「きれいに見えるから安全」と判断することはできません。

専門的な知識と設備を持つ事業者が、法令と作業計画に従い、飛散やばく露を防ぐことが重要です。

作業者、建物利用者、近隣住民、そして将来その場所を利用する人を守ること。それがアスベスト工事業に求められる最も大切な技術なのです✨